« 第48回建築士会全国大会(愛知大会)の報告 | メイン | 中間検査制度導入及び改正建築基準法説明会 »

関東甲信越建築士ブロック会青年建築士協議会群馬大会参加

  1. 日 時 平成17年6月16日(木)~18日(土)
  2. 場 所 群馬県伊香保町 「ホテル小暮」
  3. 主 催 (社)群馬建築士会
  4. テーマ 『人・建築・温森(ぬくもり)物語』

関東甲信越建築士ブロック会青年建築士協議会群馬大会のフォトアルバム
https://mae-gkenchiku.kazelog.jp/photos/20050618/index.html

『人・建築・温森(ぬくもり)物語』をテーマにした平成17年度関東甲信越建築士会ブロック会(関ブロ)青年建築士協議会群馬大会は16~18日の3日間、群馬 県伊香保町の「ホテル小暮」で開かれ、参加した1都9県の青年建築士は、それぞれ の地域で実践している活動や日頃の研究成果の発表、屋外研修などを通して建築士と しての今後のあり方を学ぶとともに会員相互の交流を深めた。

17日に行った地域で の活動報告では、神奈川県建築士会が発表した「住まいや家族での居場所、夢などを 子供たちに考えてもらうワークショップ」が最優秀賞に、また今大会より初めて行っ た設計協議「温森の家設計コンペ」では、スタンダードセクションの最優秀作品に群 馬建築士会、フリーセクションでは千葉県建築士会の作品が選ばれた。

関ブロ青年建築士協議会は、毎年6月に関東甲信越1都9県の青年建築士の技能向 上と親睦を目的に大会を開催。17年度は群馬建築士会青年委員会が企画・運営を担 当した。今大会は、全体会議(前半・後半)と3つの分科会で構成され、群馬建築士 会青年委員会に所属する約80人が当日までの準備を進めてきた。

17日に同ホテルのコンベンションホールで開いた全体会議には、関ブロの岡田義 治会長(栃木)、同青年建築士協議会の青柳悟会長(長野)のほか各都県の青年建築 士約500人が出席。来賓に日本建築士会連合会の宮本忠長会長を始め、各都県の建 築士会会長、群馬県から半田聡県土整備局参事兼建築住宅課長(小寺弘之群馬県知事 代理)、増渕守県環境森林局林業振興課長が招かれた。

冒頭に関敏孝大会実行委員長(群馬)は「ようこそ群馬県へ。今大会は設計コンペ や屋外研修など今までに例のない新しい試みにチャレンジし、より魅力的でより楽し い分科会を企画しました。今日からの2日間を有意義に過ごし、日頃の仕事にいかし てください」と声高らかに開会を宣言。

続いて岡田関ブロ会長は、集まった青年建築士に対し「来年に栃木県で開かれる建築士会全国大会の成功に向けて、協議会の絶大なる支援をお願いしたい」と協力を要 請するとともに「過日のブロック会長会議で、各ブロック間の垣根を越えた交流が話 題に挙がりました。協議会でもこのような視点での交流を検討して頂きたい」と話し た。

青柳青年建築士協議会長は、今日まで準備にあたった群馬建築士会青年委員会へね ぎらいの言葉を述べた後「この群馬の地で今大会のテーマである『温もり』を感じその意義を存分に満喫してください。皆さん、これからも共に歩んでいきましょう」 と元気に呼びかけた。

開催県を代表して、群馬建築士会の神保禄郎会長は「早朝から伊香保町へお越し頂 き、心から厚く御礼申しあげます。また、連合会の宮本会長を始め各都県の建築士会 会長の皆様にもご列席頂き、地元の会長としてこのうえない喜びです。参加した皆様 は各分科会で熱心にご討議を頂き、良い大会にしてください」と来賓各位に感謝の言 葉を述べるとともに青年建築士を激励した。

小寺知事の代理で挨拶に立った半田課長は「新潟県中越地震において、各都県の青年建築士の皆様が応急危険度判定や住宅建築相談に貴重な時間を割いてかけつけて頂 いたことに改めて敬意を表します」と話し「建築士は住民の要求に応えて実現する役 割を担っています。その社会的責任を誇りに思い、安全で安心して住める街づくりに 貢献してください。元気に明るく活躍することを期待します」と祝辞した。

宮本連合会会長は「近年は、青年委員会と女性委員会の社会的活動がクローズアップされています。また、専攻建築士制度が予想を上回る勢いで普及し、18年度中に は全国すべての建築士会で実施されます。今後、建築士会は日本建築家協会や設備などの他団体と連絡協議会を設けて、有資格者として、職能者として社会のためにどう あるべきかを話し合っていく方針です。先の震災などでも建築士でなければできない 仕事があることを世に立証しました。建築士としてのプライドを持って社会に対する 責任を果たしましょう。今大会の成功を祈念します」と挨拶した。

来賓祝辞の後、司会が来賓の紹介ならびに祝電を披露。続いて、関ブロ青年建築士 協議会事務局の北川俊一(東京)より、前年度から今日までの事業報告がなされた。

最後に、今大会の第1・2・3分科会の日程について群馬の青年委員から説明があ り、来場した各都県の建築士は研究成果の報告、設計協議、屋外研修の各分科会に分 かれ、前半の全体会議は閉会した。


◇   ◇   ◇

それぞれの分科会で討議が終了した後、再びコンベンションホールで開いた後半の 全体会議では、第1・2分科会の発表者全員が壇上にあがり、最優秀賞の発表と、榛 東村の林業試験場や木材加工技術センターなど屋外で研修活動した第3分科会の報告があった。

第1分科会では、神奈川県建築士会の活動報告が最優秀賞に、第2分科会の設計協 議では、群馬建築士会(スタンダードセクション)と千葉県建築士会(フリーセク ション)がそれぞれ最優秀作品に選ばれた。

今大会のテーマである「『木の温もり』を大切にして欲しい」という気持ちを込め て、群馬建築士会の上原好之青年委員長が手作りした『ケヤキの表彰状』が青柳青年 建築士協議会長より受賞者に手渡されると、場内から驚きと歓声があがった。発表者 全員に上原委員長より記念品が贈呈され、会場からは大きな拍手が送られた。

第3分科会の報告がされた後、結びに関ブロ青年建築士協議会の児玉達朗副会長 (神奈川)が閉会を宣言。群馬に集まった青年建築士たちは、街づくりへの取り組み や住まいへのこだわり、新技術・新工法の紹介、プレゼンテーションの手法、地域活 動などを通して、建築・住環境への理解を深め、盛会のうちに大会は終了した。

◇第1分科会・各都県の活動を発表・知識・経験の活用へ

第1分科会「より良い住環境の為に」意見・提案・報告=担当 群馬建築士会青年 委員会 秋草博

各都県で実践している活動を発表。参加は各都県1組、計9組。持ち時間12分でその事例をスライド上映し、質疑応答の後、審査した。審査員は10名。審査項目は、世間一般及び地域社会からの注目度、建築士としての知識・経験の有効活用度--など。

◇第2分科会・「温森の家」設計コンペ・群馬と千葉が入選

第2分科会「温森の家」設計コンペ」(スタンダードセクション・フリーセクショ ン)=担当 群馬建築士会青年委員会 斎藤興嗣

設計コンペの対象地は、実在する分譲地「びゅうヴェルジェ安中榛名」内(群馬県 安中市秋間みのりが丘。売主はJR東日本・鉄建建設・西松建設、販売代理は東急リ バブル)。大自然の中にありながら「東京駅」から「安中榛名駅」まで新幹線で59 分、新幹線駅前の大規模住宅団地という稀有なロケーションを有するこの地に、実際の用途地域と大会で設けた特定の建築条件に基づいて住宅建設を仮定。

参加は各セクションともに各都県1組、計7組。持ち時間10分でコンセプトや間取りなどをスライド上映でプレゼンテーションし、質疑応答の後、審査した。

審査員は、群馬建築士会の秋山隆副会長を審査委員長に、半田聡群馬県県土整備局 建築住宅課長、増淵守同環境森林局林業振興課長、松井淳前橋市立工科大学建築学科 助教授ら14名。主な審査項目は、住まいの提案、作品のコンセプト、平面計画、建 物と建設費のバランス--など10項目。スタンダードセクションに群馬県、フリー セクションに千葉県の作品が選ばれた。

◇第3分科会・建築の原点・「木」の見学ツアー

第3分科会「温森探求」屋外研修=担当 群馬建築士会青年委員会 渡辺正明

森が泣いている-。日本の住宅は「木の文化」そのもの。しかし、文化を支えるは ずの国産の木は、コスト優先主義で輸入外材に頼っているのが現状。日本の山の大部 分は放置され、荒んでいる。高齢・後継者不足で、維持管理の下刈りも枝打ちもできず衰退する林業。いったい建築士は「木」をどれだけ知っているのか?森に入り、木 に触れ、人と建築の原点を体感する。群馬県環境森林局林業振興課と下仁田町森林組 合の協力により、群馬県榛東村の林業試験場や木材加工技術センターでの研修、伐採 現場、原木・製品市場の見学を通して、「原点」を知る旅に出た。

フォトアルバム

最近のコメント

管理